Shopify×LINEの連携でお客様もスタッフも利便性を向上|Brillar(ブリジャール)【事例インタビュー】

オンラインショップと店舗POSを統合可能なShopifyおよびShopify POSは、OMO(オンラインと店舗の融合)施策をスタートするのに最適な環境です。Shopify POSには一般的なPOS機能に加えてShopifyストアとのマージ機能が備わっており、オンライン・店舗をスムーズに統合できます。

本記事では、ShopifyとShopify POS、さらにLINE連携のための「Lipify(リピファイ)」を導入しているモアサナイト専門ジュエリーブランドの「Brillar(ブリジャール)」の事例をご紹介します。ブランド立ち上げの経緯からShopify POSやLipifyの導入、ブランドが抱えていた課題などを株式会社Brillarの斎藤さんと吉村さんに話をうかがいました。

株式会社Brillar

2017年1月にモアサナイトジュエリーブランド「Brillar」を立ち上げ、同年12月に法人化。立ち上げ初期はオンライン販売を専門に、初年度で売上高1億円を突破する。翌年には銀座にショールームを開店し、2023年10月にはオープン形式の路面店を銀座2丁目にオープン。「Pay It Forward(もらったものは他の誰かに返す)」の精神で社会貢献にも力を入れている。

エシカル文化の醸成に伴い「Brillar」を立ち上げ、初年度に売上高1億円を達成

Brillarは国内ではまだ珍しい、モアサナイト専門のジュエリーブランドです。同社代表の小原さんが海外でモアサナイトを目にしたのをきっかけに、メリルリンチ日本証券株式会社(現 BofA証券株式会社)在籍中の2017年1月に立ち上げました。

 

モアサナイトとは?
約5万年前に隕石の衝突によって生まれたバリンジャー・クレーター(米アリゾナ州北部)。その隕石の破片の一つと考えられるキャニオン・ディアブロ隕石から1893年に発見されたのがモアサナイトです。ダイヤモンドの2.5倍という最高峰の輝きとクリアな美しさを持ち、耐久性にも優れています。モアサナイトは現代の科学者たちの功績により人工的に作り出すことに成功し、現在は世界中で愛されるジェムストーンとなっています。

 

日本で最初のモアサナイトジュエリーブランドとして立ち上げられたBrillarはオンラインショップで販売を開始。初年度に売上高1億円を突破し、翌年には銀座にショールームをオープンするという急成長を遂げました。

 

吉村さんはBrillarの成長の背景には「エシカル文化の醸成」があったと言います。

 

吉村さん

以前のモアサナイトは「ダイヤモンドの偽物」という感じで、ちょっと悪者扱いされていた節がありました。しかしここ数年でエシカル文化が醸成され、ダイヤモンドに対する倫理観が変わってきたことで「(モアサナイトが)見直されてもいいんじゃないか?」と思うようになり、代表 小原がそこにビジネスチャンスを見出したことがBrillarの始まりです。

 

黎明期からShopifyを採用、業態変化に伴いShopify POSを導入

そんなBrillarはブランド立ち上げ初期からShopifyを採用しています。2017年当時といえばShopifyは日本市場に参入したばかり。まだ日本語化の進んでいない時期でしたが、Brillarには語学堪能な人材が揃っていたことから早期段階でShopifyを導入しました。

ブランドの立ち上げから翌年には銀座にショールームをオープンし、順調な成長を遂げてきたShopifyは2023年12月に銀座路面店をオープン。今まではオンラインショップ中心だった業態から店舗という販売チャネルが増えたことにより、POSレジの導入検討を始めます。

Shopify POSを導入した理由について「商品点数の多さ」が大きく関係しています。

 

斎藤さん

弊社ブランドは商品点数が多いため、Shopifyストアと連携できるShopify POSが一番便利だったんです。わざわざ商品登録をせずに済むので、他社のPOSレジと比較する中で「やっぱりShopify POS一択だね」となりまして、Shopify POSを採用することになりました。

 

Brillarのようなオンラインショップから店舗に進出するブランドは近年増加しています。「オンラインで出店して事業成長に合わせて店舗に進出する」というのは今や当たり前の事業戦略であり、Brillarのように初期段階でShopifyを採用するのは将来的な事業成長を見据えると理にかなった戦略だと言えます。

 

Shopify POSの採用により商品登録の手間を大幅に削減できた一方で、BrillarではShopify POSに対して次のような課題も感じています。

 

日本ではShopify POSと連動可能な決済端末がまだないことや、免税販売の際に多少の手間があることに課題は感じているものの、それでも利便性は大幅に上がったとのこと。

 

Shopify POSで連動可能な決済端末は北米・欧州を中心に広がっているため、日本でも今後数年で参入する可能性は大いにあります。免税対応についても、インバウンド需要の高まりに伴い対応が進む可能性があるため期待したいところです。

お客様とのコミュニケーション方法を見直し、LINE活用を徐々に進める

ブランド立ち上げから順調に成長してきたBrillarにも、「お客様とのコミュニケーション」に強い課題を感じていたといいます。

 

吉村さん

お客様とのコミュニケーションツールとして、元々はメールを使用していました。しかしブランド側からのメッセージの開封率が悪く、リンクのクリック率もすごく少なかったんです。「お客様にメッセージが届いていないなら意味がない」と社内でなりまして、それからお客様とのコミュニケーション方法としてLINEとInstagramを取り入れました。

 

斎藤さん

「やっぱりみんなLINEは見るよね」ということで、LINEを使ったお客様とのコミュニケーションを進めてきました。1日の問い合わせ件数の割合でいうと、今ではLINEが一番多いですね。当初はLINEとInstagramのDMが半々かなという感じでしたが、最近はやはり圧倒的にLINEが多いです。

お二人が話すように、お客様とのコミュニケーション方法としてLINEは最適なツールです。LINE公式の調査によれば、LINE公式アカウントから受け取ったメッセージをその日のうちに開封するユーザーの割合は約8割となっており、圧倒的な開封率を誇っています。

出典:メッセージ配信の特長や種類、効果的なメッセージとは|LINEヤフー for Business

 

お客様とのコミュニケーションをLINE中心に移行したことで開封率・リンクのクリック数も改善され、コミュニケーション改善の効果を実感しています。

Shopify×LINEの紐付けができず、「もったいない」と感じていた

BrillarではLINE活用によってお客様とのコミュニケーション改善を実現した一方で、「ShopifyとLINEを紐づけられていない」という新たな課題も生まれました。

 

吉村さん

お客様とのコミュニケーションは改善されても、ShopifyとLINEが紐付けられていないことで過去のリピーター様に再アプローチができない。これがすごいもったいないなと思っていて、ここ3・4年の(お客様データの)蓄積もあって、何かShopifyとLINEを繋げられるツールがあればと考えていました。

 

Shopifyに限らず、多くのオンラインショップが抱えている課題が「LINEとの連携」かと思います。LINEが国民的なコミュニケーションツールに成長したことで公式LINEアカウントを運用するブランドも増えましたが、お客様に対して個別のアプローチができているブランドはまだ少ないでしょう。

 

Brillarもそうしたブランドの一つでした。

LINE、Shopify POSとの連携性に着目し「Lipify(リピファイ)」を導入

ShopifyとLINEの紐付けに強い課題感を持っていたBrillarは連携ツールを検討し、株式会社カシミラが開発・提供する「Lipify(リピファイ)」の導入に至ります。


 

Lipify(リピファイ)とは?
ShopifyとLINE、さらにShopify POSの連携性に優れたアプリです。LINE公式アカウントに登録してくれた友だちとLINEで個別チャットが行えるようになり、さらにLINE上で会員バーコードを発行してShopify×LINEの連携性を高められます。Shopify POSで読み取り可能なQRコードを店頭に設置すれば、会員登録・クーポン付与といった施策も手間なく取り入れられます。

 

BrillarがShopifyとLINEの連携ツールとしてLipifyを導入いただいた経緯を、次のように語っていただきました。

 

吉村さん

初めは他のツールも検討していたんですが、なかなかマッチするものがなくて。機能が多すぎたり料金が高かったり、その中で「Shopify POSとの連携性も重要だな」ということもあり、Lipifyさんに問い合わせしました。

 

 

たとえばLINE登録をしている友だちに、個別にカルーセルを配信することも可能です。Brillarでは店頭でLINE登録をしてもらったお客様に対し、接客担当スタッフが自らオリジナルのカルーセルを作成・配信することで、お客様とのコミュニケーションを促進しています。

カルーセルにはお客様が検討している商品画像とともにリングサイズの案内などカスタマイズされた情報を入れることで、着実に販売に繋がっているそうです。

斎藤さん

弊社商品はあまり気軽に購入できるお値段ではないので、「家に帰ってからじっくり考えたい」という方も多くいらっしゃいます。そうしたお客様に対してはカルーセルを配信して、リンクから直接オンラインショップで購入してもらうという流れができているので、お客様の視点から見ても利便性がすごく上がったなと感じています。

 

 

吉村さん

あと、弊社では他のジュエリーブランドと比較してリピーター様が多いです。だからリマーケティングをする価値が高くて、新規のお客様を追いかけるばかりではなく過去のお客様へアプローチするのもすごく大切だと思います。そうしたお客様に対しても、単に「メッセージにURLを貼り付けて送りました」じゃなく、見え方を変えられる点が有効的だと思います。

 

Brillarではカルーセルの個別配信の他にも、QRコードを使った店頭でのLINE登録、Shopify POSで会員バーコードを読み込んでのお客様データ蓄積、LINE個別チャットを使ったメンテナンス案内などにもLipifyをご活用いただいています。

「Brillar」の展望:お客様との出会いを大切に、継続的なリレーションを築いていく

インタビューの最後に、Brillarの展望をお聞きしました。

吉村さん

会社としては地方への店舗出店、他エリアでは常設ではないにしろポップアップストアを開設するなど、全国的に多くの方々にBrillarのジュエリーを見ていただくことがとても重要な局面にあります。そうした、全国的なお客様との出会いを大切にしていくとともに、「長く繋がる」ということも大切にしていきたいなと考えています。お客様との継続的なリレーションを築く上でもLipifyが活躍してくれると思っているので、その点に今後も期待したいですね。

個人事業としてスタートしたBrillarは「お客様の支え」が事業成長の要因と考えており、お客様への感謝を込めて「Pay It Forward(もらったものは他の誰かに返す)」の精神で社会貢献活動にも力を入れています。

素晴らしいジュエリーを生み出すだけでなく、社会貢献を通じたお客様との繋がりを重視してきたブランドだからこそ、「継続的なリレーションを築くこと」を自然と重視できているのかもしれません。

[取材協力]

株式会社Brillar

肩書き 斎藤 美弥(Miya Saito)

肩書き 吉村 麻衣(Mai Yoshimura)

Brillarオンラインショップはこちら

おわりに

Brillarの斎藤さんと吉村さんへのインタビューを通じ、Lipifyに対して好意的な意見をいただいただけでなくいくつかのご要望もいただきました。

 ・Lipifyに定型文を登録できる機能があると便利だ

・スマホから操作できるようアプリ開発も行ってほしい

・お客様からメッセージを受信しないと個別チャットが表示されない

これらのご要望に対応し、Lipifyでは「定型分の登録機能」「スマホアプリからの操作」「店舗側からの個別チャット表示」を実装いたしました!

Lipifyではユーザー様のご要望に対しても真摯に対応し、より使いやすく、よりビジネスに貢献するアプリになるよう開発を進めております。Lipifyに対するご質問などありましたら、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。

[取材]  Maresuke Tanaka

[文・編集]  Issei Fujiwara

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